何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
「そんな……!」
詩織は悲しそうな声を上げたけれど、奏くんの言う通りだ。
ぽっと出の謎の私と、長い付き合いの悠の従姉妹。元々信頼度には雲泥の差がある。
美香ちゃんが言っていることに多少の不審点があったとしても、彼女の方を信じたいという気持ちが、根底にあるはずだ。
「ーーありがとう、奏くん」
彼がいてくれてよかった。悠の家族の中で、私の方を信じてくれている人が、1人はいる。
これで状況が変わるわけではないかもしれないが、励みになるし、心強かった。
それに、悠のお母さんだって私を疑っているわけじゃないみたいだしね。
「う、うん。まあ、俺は立場的に美香を責めたりはできないけどね」
私に面を向かってお礼を言われたことに照れたらしくて、奏くんは頬をポリポリとかく。
その仕草、悠もやってたなあ。ーー兄弟だから、似てるんだね。
「何も出来ないけど。兄ちゃんの記憶が早く戻りますようにって思ってる。美香は激しくて、兄ちゃんの彼女としてはちょっとなあ、って昔から思ってたし。お姉ちゃんの方が、兄ちゃんには合ってると思う」
嬉しいことを言ってくれるじゃないか。この2回りくらい身体の小さな少年を、思わず抱きしめたい衝動に駆られた。
ーーだけど、さすがにドン引かれそうな気がしたのでやめておいた。
その後、「もうすぐ母さんが帰ってくるかも」と奏くんが言うので、トラ子に別れの挨拶をして詩織と一緒に中井家をあとにした。
詩織は悲しそうな声を上げたけれど、奏くんの言う通りだ。
ぽっと出の謎の私と、長い付き合いの悠の従姉妹。元々信頼度には雲泥の差がある。
美香ちゃんが言っていることに多少の不審点があったとしても、彼女の方を信じたいという気持ちが、根底にあるはずだ。
「ーーありがとう、奏くん」
彼がいてくれてよかった。悠の家族の中で、私の方を信じてくれている人が、1人はいる。
これで状況が変わるわけではないかもしれないが、励みになるし、心強かった。
それに、悠のお母さんだって私を疑っているわけじゃないみたいだしね。
「う、うん。まあ、俺は立場的に美香を責めたりはできないけどね」
私に面を向かってお礼を言われたことに照れたらしくて、奏くんは頬をポリポリとかく。
その仕草、悠もやってたなあ。ーー兄弟だから、似てるんだね。
「何も出来ないけど。兄ちゃんの記憶が早く戻りますようにって思ってる。美香は激しくて、兄ちゃんの彼女としてはちょっとなあ、って昔から思ってたし。お姉ちゃんの方が、兄ちゃんには合ってると思う」
嬉しいことを言ってくれるじゃないか。この2回りくらい身体の小さな少年を、思わず抱きしめたい衝動に駆られた。
ーーだけど、さすがにドン引かれそうな気がしたのでやめておいた。
その後、「もうすぐ母さんが帰ってくるかも」と奏くんが言うので、トラ子に別れの挨拶をして詩織と一緒に中井家をあとにした。