何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
まず、衛生面の問題から、病院側が生花の持ち込みを禁止している場合がある、といった点。

悠が入院している病院にそんな禁止事項はなかったけれど、それでも香りが強すぎる花や暗い色の花、仏花などは常識的にNGだそう。

また、鉢植えの花も、根が底に付いていることから、「寝付く」という意味を連想させるから、ダメなんだって。

全部、「悠のお見舞いに花を持っていこうと思うんだけど」と、私が詩織に相談したときに教えてくれたことだ。

さすが園芸部だ。花の育てかただけじゃなくて、花に関する常識にも詳しいなんて。

でも、なんだかダメなことばっかりで、どんな花を選んだらいいのかわからず、私は困ってしまった。

それも詩織にメールで相談したら、詩織は学校の花壇で最近咲いたばかりのガーベラを摘んで、プリザーブドフラワーにしてくれた。

プリザーブドフラワーは、特殊な液を使って花の水分を抜き、長期保存出来るようにしたもの……と詩織が言っていた。詳しいことは知らないけれど。

でも、水やりなどのお手入れもいらないため、入院のお見舞い品としてはうってつけだそう。

黄色やオレンジといったビタミンカラーのガーベラを、可愛らしく小箱に入れて装飾してくれた詩織。
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