何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

「ーーそんな。わ、私……」


毎日来るよ。悠が記憶を取り戻すためなら。

そう言いたいのに、あまりにも惨めすぎて上手く言葉が出てこなかった。


「あー、そういえばね。昨夜あなたが帰ったあとにクラスメイトの人達が、何人も悠のお見舞いに来てくれたの。そうよね、悠?」

「あ、うん。嬉しかったわー、あれ」

「悠は人気者なんだねー。……あれ、そういえば悠はあなた以外のクラスメイトのことは、全員覚えていたみたいよ?」


美香ちゃんの言葉に、私の肝が冷える。

悠は私のことは忘れていたが、詩織のことは覚えていた。きっと、忘れている人と覚えている人がいるんだろうなって思っていたのだけれど。

ーー悠が忘れているのは、私のことだけなの?


「親戚のことも、学校以外の友達のことも、悠のママによると他に忘れた人はいなかったみたい。ーーなんであなたのことだけ、忘れているのかなあ?」


白々しく、私に疑問をなげかけてくる美香ちゃん。

ーーきっとあなたが、悠にとって大した存在じゃないからよ。だから悠は、あなたことだけ忘れてしまったの。

悠にとって、あなたは必要ない存在なの。

彼女の超然とした瞳が、そう物語っていた。
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