何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
「だからきっとね、桜にとってわけのわからない行動を悠くんが取ったとしても、なにか理由があるんじゃないかなって思うの」

「理由……」

「うん。だから、桜は安心して大好きな人を信じなさい。もし悠くんが桜を傷つけるようなことをしたら、私がぶん殴ってやるんだから」

「ぶ、ぶん殴るのは、ちょっと……」

「あらー、そう? ……そうよねえ」


私達は顔を見合わせて笑った。


「まあぶん殴るはちょっと過激だったかなあ。でも、桜が傷つくようなことがあったら、私が守るんだからね! だから、桜は悠くんに寄り添ってあげればいいの」


信じて、寄り添って。

ーーそうだよね。私が大好きになった、優しくて、かっこよくて、猫も花も大切にしてくれる悠だもん。


「お母さん、ありがとう」


私が真剣にそう言うと、「な、何よー、いいのいいの!」と、お母さんは照れ隠しをするようにふざけた。

ーー明日。明日また悠のところへ行こう。

そして、彼に尋ねよう。

私が先程行き着いたある考えを。

ーーもう、あなたの記憶は戻っているんじゃないか、ということを。
< 230 / 256 >

この作品をシェア

pagetop