何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
桜は入院中に何度か卵焼きを持ってきてくれていたが、実はそれを食べる度に懐かしいような……消えた記憶が蘇りそうな気配がしていたのだった。
そしてそんなことが何回か続いた時、俺が卵焼きを口に入れたときに。
ーーあれくらいなら、い、いくらでも作るよっ……。
学校の屋上で、そう言っていた桜の顔が思い起こされたのだった。俺が事故に遭う前の、桜と仲睦まじかった頃の思い出が、最初に蘇って。
俺はすべてを思い出したんだ。
だから、桜が今の状態の俺に嘆き悲しんでいることも、美香がこの状況を利用して俺の彼女に成りすましていることも、気づいていた。
ーーだけどこれでいい。これでいいんだ。
俺は桜とは、一緒に居られない宿命だから。事故の前から、いつこのことを打ち明けて、別れを告げようかずっと悩んでいた。
たぶん、桜に対してずっと後ろめたい想いがあったから、俺は事故の衝撃で彼女に関する記憶を消失してしまったのだろう。
記憶が戻った時、俺はいい機会だと思った。桜は俺が記憶のない間も懸命にお見舞いに来てくれていたけれど、きっといくらかは気持ちが離れていたに違いない。
そしてそんなことが何回か続いた時、俺が卵焼きを口に入れたときに。
ーーあれくらいなら、い、いくらでも作るよっ……。
学校の屋上で、そう言っていた桜の顔が思い起こされたのだった。俺が事故に遭う前の、桜と仲睦まじかった頃の思い出が、最初に蘇って。
俺はすべてを思い出したんだ。
だから、桜が今の状態の俺に嘆き悲しんでいることも、美香がこの状況を利用して俺の彼女に成りすましていることも、気づいていた。
ーーだけどこれでいい。これでいいんだ。
俺は桜とは、一緒に居られない宿命だから。事故の前から、いつこのことを打ち明けて、別れを告げようかずっと悩んでいた。
たぶん、桜に対してずっと後ろめたい想いがあったから、俺は事故の衝撃で彼女に関する記憶を消失してしまったのだろう。
記憶が戻った時、俺はいい機会だと思った。桜は俺が記憶のない間も懸命にお見舞いに来てくれていたけれど、きっといくらかは気持ちが離れていたに違いない。