何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
「何よ、これ……。こんなの無理! 私には無理! こんなの……! あの子のこんな身の引き方……!」


俺の傍らに立っていた美香が、わなわなと身を震わせて、信じられないという顔をしていた。

そして美香は、俺の方を睨みつけた。忌々しげに。


「こんなの……私が入る隙間なんてないじゃん! 馬鹿みたい……悠を手に入れるために嘘ついて、あの子を傷つけて、優越感に浸ってた自分が……! 馬鹿みたいじゃんかっ!」


美香は小走りで病室の出口へと向かい、退室間際にこう叫んだ。


「あんたにはあの子がお似合いだよっ。ーー全部あの子に話してやる! あの子に悠の病気のこと、全部話してやるんだから!」


部屋から出ていったあと、美香は乱暴に病室のドアを閉めた。パタパタと彼女が廊下を走る音が、壁越しからも聞こえてきた。
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