何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。



ーーさようなら、悠。今までありがとう。

私は悠のことを誰よりも信じている。だから、記憶が戻ったのにも関わらず、私の元へと帰ってこないということは。

悠にとって、そうしたほうがいい理由があるからなんだ。ーーその方が、悠はきっと幸せなんだ。

もちろん、悠と離れることは悲しい。なんで、どうしてと追いすがって、無理やり隣に居座ってやりたいという思いも強い。

ーーだけど。

私の1番の願いは、悠が幸せになること。それは私の幸せと、同じことなんだ。

だから、私は悠にさようならをする。

私はそんな強い決意を胸に秘め、病院の敷地から外へ出ようとした。

すると、その時。


「ーーちょっと! 折原さんっ、ま、待ちなよっ!」


背後から必死に私呼び止める声がして、私は足を止めて振り返った。

声の主は美香ちゃんだった。全速力で私を追いかけていたらしく、肩を上下させて荒く呼吸をしている。


「あの……はあ、はあ……」


美香ちゃんは、何かを言いかけたが、息切れが邪魔をして声にならない。私は無言で彼女の息が落ち着くのを待った。

どんな話をしに来たのだろう。
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