絶対領域
そういえば、他の皆の学校でも、そろそろ文化祭の時期かな?
せーちゃんの通う中学には、文化祭はない。
双雷のメンバーが多く通う、北校はどうだろう。
他校のイベントシーズンは、さすがに把握してないから、わからない。
「北校でも文化祭が開催されるなら、日程が被らなければ遊びに行きたいね」
新人いびりの一件以来、神亀と双雷は良好に関係を深めていった。
時々会って、世間話をするくらい、仲がいい。
ただ神亀と双雷、各々のグループ全体が、というわけじゃなくて。
幹部以上のメンバーが、だけど。
しかし、お互い、各々の暴走族のたまり場に踏み入れようとはしなかった。
それは、誰が言い出したわけでもない、暗黙のルール。
たまり場とは、つまり、暴走族の縄張り。
あくまでメンバーしか立ち入ることのできない絶対的な領域だ。
だからこそ、その領域に、他の族のメンバーがむやみやたらに侵入してはいけない。
「どうなんだろうな。悠也、紫から何か聞いてるか?」
「ううんー、聞いても『ユウは無理して来なくていいよ』って言われちゃうー」
ぐすっと泣き真似するゆーちゃんを、あず兄は慣れた素振りで流した。
灰色の眼は、ゆーちゃんからバンちゃんに移される。
「万は知ってんだろ?あいつらの情報」