絶対領域
涼やかなそよ風が、金髪と薄い赤茶色の髪をさらりとなびかせる。
私のリボンのタイも、ほのかに揺れた。
どうしてあず兄は、断定的に問いかけたんだろう。
バンちゃんは妖しく茶色い目を細めた。
「そりゃまあね」
知っていることが当然だ。
そう言っているように聞こえたのは、私だけだろうか。
「なら、教え……」
「でも」
あず兄の声を遮って、バンちゃんは笑みを保ったまま続ける。
「情報は大事な武器だから。そう簡単には、武器を譲れないな」
「いいじゃねぇか。ただ北校の行事予定が知りてぇだけなんだし」
「もしかしたらそれが後々、機密事項になるかも」
「なるかボケ!」
バンちゃんは本気で言ってるのか、ふざけてるのかわからないな。
一つ一つの情報が重要、っていう意見には大賛成だけど。
「北校は、1学期に文化祭を開催してたみたいだぞ」
茶番みたいな会話をよそに、しん兄が携帯で調べてくれた。