絶対領域





「ただでさえ、極道とかそっち系が今やべぇって噂なのに」


「あー、あれだろ?くそ恐ぇ極道から脱走者が出たってやつ。でもそれって結構昔の話なんじゃねぇの?」


「いやそれがさ、最近また――」




「おっまたせー!」




相当やばい噂なのか、急にひそめられた話し声に重なって、雑貨屋さんの扉が開いた。


ようやくゆーちゃんのご帰還だ。



「ほんとすげぇ待った。待ちくたびれた」


「そこは『全然待ってないよ』って言ってよ~。ノリ悪いなぁ」



むうっとするゆーちゃんを相手しあげられる元気は、今のあず兄にはない。

はいはい、と軽く流すだけだ。




「……今日、いっぱい買ったね」



改めて、ゆーちゃんの手を見てみたら。


両手いっぱいに、袋を持っていた。



ソレ全部、今日買った物なんだよね。

ゆーちゃん、散財してるなぁ。


明日から超金欠にならない?お昼サラダだけとかにしない?大丈夫?




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