絶対領域




お財布の心配をする私に、ゆーちゃんは満面の笑みを浮かべる。



「いい物がありすぎて大変だったけど、楽しかったぁ!満足満足~!」



よかった、無事にストレスを発散できたんだね。


最後までゆーちゃんの買い物に付き添えなかったけど、私も満足だ。



「やっとかよ。1件目から満足しろよな」


「短気な男ってきらーい。ねー?モエモエ」


「……私に振らないで」



ここで「そうだね」なんて言ったら、あず兄が落ち込むのは目に見えている。


短気は嫌だけど、あず兄は嫌じゃないよ。

って正直に返しても、あず兄は自分の性格を気にするだけだろうし。



よって、ここは拒否!

ナイス判断、私!




「あっ、そうだ、これ見て見て~」


「なに?」


「いっぱい買ったおまけでね、コレもらったのぉ」



ゆーちゃんは雑貨屋さんの袋から、花火セットを取り出した。


花火かぁ。

そういえば今年はやってなかったな。



「売れ残りの処分かもね!」


「モエモエ、違うよぉ、処分じゃなくてお・ま・け」


「え、あ、……ソウデスネ」



満面の笑みのまま凄まれた。

私、何か変なこと言った?



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