絶対領域




頭上に「?」を浮遊させれば、あず兄がゆーちゃんの肩に手を置いた。




「萌奈は素で言ってんだ。悪意はねぇ。見逃してやれ」


「そんなこと知ってるよ~」


「なら怖い顔すんな」


「えー、これが僕の素だよぉ?」




きゃぴ、と効果音がつきそうなくらいあざとくアヒル口をする。


あず兄は脱力気味に「アホか」とゆーちゃんの頭を軽く叩いた。



……という仕草はわかったけど、話してる内容は拾えなかった。


何話してたんだろう。

突然男の子だけで内緒話を始めないでほしい。




蚊帳の外にされた私は、なんとなく、繁華街を見渡してみた。



……あれ?

奥の方に、見知った人物の影を発見する。



遠くにいるのって、もしかして……。




「ねぇ、モエモエ」


「な、なに?」



いきなり声をかけられ、びっくりした。

視線を2人に戻す。


内緒話は終わったの?



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