絶対領域



当然といえば、当然か。

あの大柄な男は何かから逃亡中であることは、一目瞭然なのだから。



私につられて、あず兄とゆーちゃんも、東側へ向けていた足をピタリと停止させたまま。


必然的に、こちらに逃げてくる大柄な男との距離は、縮まっている。



大柄な男は未だに背後を気にしている。

その背後からは追手が来ているのだろう。




大柄の男と、目がかち合った。


ニヤリとほくそ笑まれ、考えていることが手に取るようにわかってしまう。



あいつは私を人質に取る気だ。


その証拠に、私に鉄パイプの先端を向けている。




あーあ。

ロックオンされちゃった。



「そこの女、痛い目に遭いたくなきゃ、俺の言うことを聞……」



「これ以上萌奈に近づくんじゃねぇ、ゲスが」

「お前ごときがモエモエを脅すとかありえない~」



「け……っ、ぐほ!!」




……あず兄とゆーちゃんに。




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