絶対領域
ランちゃんの人見知りは、まだ抜けていない。
みーくんや野次馬を相手する時は平気なのに、友達以上仲間以下の私や神亀相手にはどうも緊張して、円滑なコミュニケーションを取れなくなってしまう。
あぁ、ほら、早速。
みーくんの後ろに隠れてしまった。
もしかして、人見知りじゃなくて、コミュ障の類だろうか。
「何があったんだ?」
「パトロール中に、カツアゲ現場に遭遇したから、助けに入ったんだ。カツアゲしてた奴は5人くらいだったからすぐ倒せたんだけど、うっかり一人逃げられちゃって……」
みーくんは両眉を下げて、苦笑いした。
なるほどね。
その逃げられた一人が、この大柄な男ってことか。
まあ、みーくんの素早さなら、もし私たちがここにいなかったとしても対処できただろうけどね。
「隙見せちゃダメじゃーん」
「しっかりしろよな」
……本当に、神亀と双雷、仲良くなったなぁ。
今だって、からかうみたいにアドバイスする2人に、みーくんは「わかってるって!」と明るく返した。
男の子って、いつの間にか親しくなってるから、不思議。
このやり取りから垣間見える仲の良さに気づいていない者が、一人。
「総長は今でもしっかりしてるっつーの!」
名は、蘭次郎。
彼はコミュニケーションというジャンルが苦手とお見受けした。