絶対領域
「そ、その程度じゃねぇし!総長への気持ちは世界1だし!なっ、なめんじゃねぇぞこら!!」
「うん、そっか」
「あ、あと、俺のこと『ランちゃん』って呼んだり、総長を『みーくん』って呼んだりすんのまじでやめろ!き、キモいんだよ!」
「え、やだ」
「も、もっとかっけーあだ名つけやがれ!」
「あだ名でかっこよさ半減するの?」
「しねぇよ!総長はいつでもかっけーよ!」
「なら問題ないじゃん」
あず兄とゆーちゃんに注意されたから、できるだけ相槌だけにしてみた。
だが、それが逆効果だったみたいで。
興味を失くして素っ気なくなった、と勘違いしたランちゃんは、カッとなって無意識に声量を大きくしていった。
「総長はほんとにほんとにほんとーにかっけーんだぞ!!わ、わかったか!?」
「……そろそろやめて。恥ずか死ぬ」
ぺチリ。
みーくんが、ランちゃんの額を弱々しく叩いた。
「それに、あだ名は俺が頼んだんだし、気に入ってるからこのままでいいの」
ちょっと困ったように、照れ臭そうに。
横目でランちゃんを一瞥する。
わざとか、偶然か、視線が交わることはなく、ランちゃんの瞼は渋々伏せられた。
「つーか、こんなこと話してねぇで、とっととそいつを捕まえて片付けちまえよ」
「あ、そうだった、忘れてた!」
あず兄の一言で、みーくんはハッとして後ろを向く。
大柄の男は逃げてはおらず、未だにみぞおちを抑えていた。