絶対領域
カツアゲ騒動に、大柄な男の逃走。
加えて、神亀と双雷の活躍。
これだけのことが連続して起こったら、当然、繁華街は騒然となる。
私たちが談笑している間にも、周囲はざわついていた。
私たちが解散しなければ、元の活気には戻りづらい。
まさか楽しい買い物の最後は、こうなっちゃうなんて。
運が悪いのか、暴走族と関わっているからなのか。
「じゃあ、私たちは行くね。片付け頑張って」
「じゃあねぇ」
「またな」
野次馬の不安と好奇の注目を浴びながら、みーくんとランちゃんに背を向けた。
たまり場に行こうと、一歩踏み出した直後。
「あ、待って、萌奈!」
みーくんに呼び留められ、また足を止めた。
「何?」
「ちょっと待ってて!」
もう一度向かい合えば、みーくんは待機を命じ、元来た道を走っていく。
足の速さを全力で活かしている。
奥のほうに放置していたカバンの中から何かを手にして、すぐに戻ってきた。
「こ、これ……!」
息を荒げながら、私に差し出す。
これは……
「花火セット?」