絶対領域



見覚えがありすぎる。


だって、これ。

ゆーちゃんが持ってたやつと、まるっきり同じやつじゃん!



「それ、お店でおまけにもらった物なんだけど……」



ほらやっぱり!

売れ残りの花火セットだ!



「どうして、これを私に?」


「まだ、お詫び、してなかったから」




お詫びって何の……って、あ。


そういえば、双雷のたまり場である洋館で再会した時、言ってたっけ。



『新人いびりに巻き込んだお詫びも何もできないままだったし』



あのこと、か。




「今持ってるのがソレしかなくて……あっ、ちゃんとしたやつがよければ、今すぐ買ってくるけど!」


「いい、いいよ」



若干取り乱しているみーくんが可愛くて、つい笑ってしまった。



お詫びのためなんかに、新しく買いに行かなくていい。


おまけでいい。



一番大事な気持ちは、もう、十分なくらい受け取ったから。




「ありがとう」


「お礼なんて、そんな……。元はいえば、俺が……」


「みーくんは、私を守ろうとしてくれたんでしょ?」




私と目が合って、私も危ない目に遭うことを予感して。

先手を打って一緒に逃げた。


新人いびりに巻き込まれるのではなく、みーくんに巻き込まれたことで、私という一般人を助けようとしてくれたんでしょ?



私の実力も、その行動が後に新人いびりの標的になるきっかけとなることも、その時のみーくんに想定できるはずがない。




……ううん。

みーくんなら、私が強いと知っていても、同じことをした。


あず兄やせーちゃんと似てるところがあるから。




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