絶対領域
せーちゃんとランちゃんは暴れ馬なだけに、馬が合わないらしい。
どちらも中学生で同年代だから、いい喧嘩相手なのかもしれない。
だけど、毎度こんな感じだと、食い止めるのが面倒になってくる。
お互いに第一印象が悪かったのが、いけなかったのかな。
「世奈、蘭次郎、そこまで。仲良くしないと、たまり場に帰らせるよ」
「ば、万さん……!」
「る、留守番は嫌だ……」
皆が皆、2人の喧嘩に慣れてきて避けているにもかかわらず、バンちゃんだけは毎回仲裁してくれる。
優しいだけじゃなくて、ちゃんと怖い。
ココ、割と大事。
だから2人は、ビビって、口論をやめる。
バンちゃんってすごい。
「緋織氏は、花火せぬのか?」
「……俺は見てるだけでいい」
オリはオウサマに声をかけられても、倉庫のシャッターに寄りかかっているだけ。
宵闇に紛れながら、ただ静かに様子を見守っている。