絶対領域
それに、きっと。
私の大切な人がオリだと突き止めて、ガチで消しに行っても、返り討ちに遭うだけだと思うよ。
私が答えないのは、半分善意なんだからね。
「ていうか、2人が不良になって強くなった理由も、私と似たようなものでしょ?」
「ち、違ぇよ!俺は、“あの時”、いなくなったお前を見つけたくて、情報収集のために……」
「つまり、私を守りたいってことでしょ?ほら一緒じゃん」
何が違うの?
強気に反論すれば、あず兄は口ごもる。
「せーちゃんもそうでしょ?」
「うっ……」
「2人にもいるように、私にも守りたい人がいるの!2人も同じなんだから、文句言う筋合いない!」
あっという間に論破した私に、あず兄とせーちゃんはしゅん……とあからさまに落ち込んだ。
ごめんね。この想いだけは、譲れないの。
……オリ、気づいてる?
過去形じゃないよ。
今も、想ってるんだよ。
「守りたい人、か……。そういう存在がいるのっていいな」
「みーくんは?どうして双雷に入ったの?」
「俺は、さっき言った憧れの人みたいになりたくて!」
2本目の花火が、熱く灯る。
黒い眼越しにきらめく炎が、みーくんの希望そのもののようで。
その『憧れの人』に、少し、会いたくなった。