絶対領域
ここにいるのは、私を含め6人。
私たちの関係は、一体、何?
思い出したいのに、どれだけ考え込んでも思い出せない。
それがひどくじれったくて、もどかしくて。
泣きたくなる。
泣いても、何も変わらないけれど。
「ね、姉ちゃん!」
手を握り続けていたせーちゃんの手のひらに、熱がこもる。
せーちゃんのほうに顔を上げる。
……あ、とその時気づいた。
私、ずっと下を向いていたんだ。
「喉、渇かない?」
「え?」
「俺、何か買ってくるよ!」
せーちゃんも不安でいっぱいのはずなのに、私を気遣ってくれるんだね。
迷惑かけてごめんね。
ありがとう。
「じゃあ俺も、何か甘いやつ買ってきてやるよ」
「俺も行く」
続けてあず兄としん兄も、そう言って椅子から立ち上がった。
大きくなっても、相変わらず優しいな。
私の知ってる2人だ。