平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
(あの人たちは……?)

 桜子に向かって走ってくる男たちの人数は、数えきれないくらいだ。

「武器を捨てろ!」
 
 男たちは全員が同じ、きちんとした服装で、警察の人たちみたいに見えなくもない。
 
 この者たちはベルタッジア国の警備兵だ。
 
 男たちを倒した辺りから、これは夢ではないのかもと思い始めていた桜子は、『武器を捨てろ!』と言った男に聞いてみることにした。

「ここはどこですか?」
「ベルタッジアだ! いいから武器を捨てろ!」

 桜子を襲おうとした男たちが地面の上に伸びているのを見て、警備兵たちはざわついた。

 いくら長い棒のようなものを持っているといっても、娘が男を三人ものせるとは思ってもみないことだ。

「初めて見る服に、この辺にはいない顔立ちの娘だな」

 警備兵は桜子の顔をじっと見る。

「私は日本人です。この男たちに襲われて」

 必死に口にしながらも、まさか自分は本当に異世界トリップ をしてしまったのかもしれないと、脳裏によぎる。

(まさか……異世界トリップなんて、漫画の世界だけよ)

 ありえないことを思い浮かべた桜子は、頭を激しく左右に振る。


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