平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
「こういうときは、静かに抱き上げられているものだ」
下りたくて手足をバタつかせる桜子に、ディオンは小さく顔を顰める。
「こ、こういうときって、どういうときですかっ!?」
冷静なディオンに、テンパりながら問いかける。
そこで桜子は、五人は寝られそうな大きな寝台に下ろされたが、即座に身体を起こし、立っているディオンを見つめる。
「眠れば治ると言っただろう? ここで寝るんだ。私が見守っている」
「そんなことしなくていいですっ。ディオンさまが側にいては眠れませんっ!」
どうしてこの広い寝台で、ディオンに見守られながら寝れるのだろうか。桜子は足を床につけようとした。
「以前は眠ったではないですか?」
「あれは雷が怖かったし……」
(想いを通わせていなかったときのことで、今は好きなディオンさまの隣で眠るのは恥ずかしいし、ずっと触れていてほしくなる)
ふとダフネ姫の姿が脳裏にちらつき、本当のことを言えなかった。
「サクラ……」
ディオンは寝台に座り、困惑している桜子の頬をゆっくり撫でる。
「……離してください」
やんわり言ったつもりが、冷たく響いた。
「どうしたんだ? ああ……拗ねているのか?」
「違いますっ。どうしてそう思うのですか? ディオンさま、お酒ばかり飲んで物思いにふけっていたから、私がいないほうがいいと思ったんです」
ディオンのような育ちの人には、はっきり言わなければわからないのかもしれないと、桜子は口に出してしまった。
下りたくて手足をバタつかせる桜子に、ディオンは小さく顔を顰める。
「こ、こういうときって、どういうときですかっ!?」
冷静なディオンに、テンパりながら問いかける。
そこで桜子は、五人は寝られそうな大きな寝台に下ろされたが、即座に身体を起こし、立っているディオンを見つめる。
「眠れば治ると言っただろう? ここで寝るんだ。私が見守っている」
「そんなことしなくていいですっ。ディオンさまが側にいては眠れませんっ!」
どうしてこの広い寝台で、ディオンに見守られながら寝れるのだろうか。桜子は足を床につけようとした。
「以前は眠ったではないですか?」
「あれは雷が怖かったし……」
(想いを通わせていなかったときのことで、今は好きなディオンさまの隣で眠るのは恥ずかしいし、ずっと触れていてほしくなる)
ふとダフネ姫の姿が脳裏にちらつき、本当のことを言えなかった。
「サクラ……」
ディオンは寝台に座り、困惑している桜子の頬をゆっくり撫でる。
「……離してください」
やんわり言ったつもりが、冷たく響いた。
「どうしたんだ? ああ……拗ねているのか?」
「違いますっ。どうしてそう思うのですか? ディオンさま、お酒ばかり飲んで物思いにふけっていたから、私がいないほうがいいと思ったんです」
ディオンのような育ちの人には、はっきり言わなければわからないのかもしれないと、桜子は口に出してしまった。