平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
 それに急いで着替えた桜子は、イヴァナ皇后が寄こした馬車が待つ門へ向かった。

 馬車の中は桜子、カリスタ、エルマの三人だけだ。桜子は会話をする気分ではないが、カリスタの身体が心配だ。

(皇都へ行くことが負担にならないといいのだけど……)

 ディオンを想う。

(ディオンさま……なにがあっても、ディオンさまの迷惑にならないようにしなくてはならない)

 窓の外を見ながら、そう心に決めた。

 馬車はかなり速く走り、一刻も早くイヴァナ皇后の元へ生贄を連れていきたいみたいに思える。

(ディオンさまに宮殿で会える……? ううん。ディオンさまにはなにも知らせていないはず。イヴァナ皇后は、私に後宮へ行くのを阻止されないよう同じ日にしたんだ。しかも時間差で……)

 
 二時間もかからずに馬車は皇都へ入った。アシュアン領のほうが、町は賑やかで活気があったように思える。

(統治している人によるのかも……)

 皇都の宮殿も、アシュアン宮殿のようなのだろうと思っていた。しかし、門の前で止まった馬車を降りた桜子は目を見張った。

 門はとてつもなく巨大で、金があしらわれている豪華なものだ。その奥に見える宮殿も、アシュアン宮殿とは比較にならないくらいお金がかけられている。

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