平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
そこへ、部屋の外がにわかに騒がしくなる。
「ディオン皇子! こちらへ入ることは出来ません!」
女官の慌てたような大きな声が聞こえてきた。
「愛する娘を迎えに来たんだ。そこを退け」
ディオンの声が凛と響き、桜子は驚いて振り返った。
そこで、女官の制止を冷静かつ優雅に振りきったディオンが姿を現した。
「ディオン皇子! ここは後宮ですよ。入室は許しません!」
イヴァナ皇后は椅子から立ち上がり、厳しい口調でディオンを牽制する。
きつい表情になったイヴァナ皇后に、ディオンは悠々たる動作でお辞儀をする。
「それは申し訳ありません。ですが、この部屋までは入室可能区域のはずです。大事なサクラが突然ここへ呼ばれ、心配をしたゆえ、お許しください」
ディオンは桜子が奥の部屋に連れていかれていなかったことに安堵していた。奥の部屋ならば、このように入ってはいけないところだった。
ダフネ姫はディオンが入室する前に、焦りながら、布が天井から垂れていて見えない裏側へ隠れていた。後ろめたく、自分が関わっているのを知られたくないからだ。
ディオンは堂々とした歩みで、驚愕したような表情を浮かべている桜子へ近づき、腰を抱き寄せる。
「サクラ? 今日はそなたに会える時間が少ないとがっかりしていたが、よかった。帰りはそなたを抱きしめて帰ることが出来る」
桜子はなにも言葉に出来なかった。先ほどイヴァナ皇后に、ディオンとはなんの関係もないと伝えたのだ。
「ディオン皇子! こちらへ入ることは出来ません!」
女官の慌てたような大きな声が聞こえてきた。
「愛する娘を迎えに来たんだ。そこを退け」
ディオンの声が凛と響き、桜子は驚いて振り返った。
そこで、女官の制止を冷静かつ優雅に振りきったディオンが姿を現した。
「ディオン皇子! ここは後宮ですよ。入室は許しません!」
イヴァナ皇后は椅子から立ち上がり、厳しい口調でディオンを牽制する。
きつい表情になったイヴァナ皇后に、ディオンは悠々たる動作でお辞儀をする。
「それは申し訳ありません。ですが、この部屋までは入室可能区域のはずです。大事なサクラが突然ここへ呼ばれ、心配をしたゆえ、お許しください」
ディオンは桜子が奥の部屋に連れていかれていなかったことに安堵していた。奥の部屋ならば、このように入ってはいけないところだった。
ダフネ姫はディオンが入室する前に、焦りながら、布が天井から垂れていて見えない裏側へ隠れていた。後ろめたく、自分が関わっているのを知られたくないからだ。
ディオンは堂々とした歩みで、驚愕したような表情を浮かべている桜子へ近づき、腰を抱き寄せる。
「サクラ? 今日はそなたに会える時間が少ないとがっかりしていたが、よかった。帰りはそなたを抱きしめて帰ることが出来る」
桜子はなにも言葉に出来なかった。先ほどイヴァナ皇后に、ディオンとはなんの関係もないと伝えたのだ。