平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
イヴァナ皇后は美しい顔を引きつらせている。ディオンと桜子は関係がないと信じるほど、男女の関係に疎いわけではないイヴァナ皇后だ。
ディオンとはなんでもないと言った桜子の言葉は、内心で疑いつつも流した。しかし、ディオン本人の口から桜子を愛おしむ言葉が出ると、ふたりに対して腸が煮えくりかえる思いになる。
「イヴァナ皇后。サクラに会いたかったのであれば、私にお伝えしてくださればよかったのに。いつでもアシュアン宮殿にご招待申し上げますよ」
ディオンは整い過ぎる顔をにっこりとさせた。その笑みを桜子は仰ぎ見ながら、ハラハラしている。
「では、失礼いたします」
桜子の腰を抱きながら礼をして、扉へ向かった。
ディオンと桜子が去ると、イヴァナ皇后は手に触れた器を壁に投げつけた。
「イヴァナ皇后さま。第三皇子を今、殺しになるべきかと」
年配の女官は、苛立ちが収まらないイヴァナ皇后に告げた。
「それは出来ないわ。第三皇子を殺すのは皇帝の許可が必要よ。最近ではめっきり刺客を向けなくなったわ。それに、今殺したらダフネが悲しむわ」
ダフネ姫は裏から出てきていた。その顔は悲しそうである。
「そのような顔をしないの。あの娘は約束したわ。少し様子を見ましょう。あなたは婚礼の準備をしなさいな」
「……はい。皇妃さま」
ダフネ姫は落ち込みながらも、優雅にお辞儀をした。
ディオンとはなんでもないと言った桜子の言葉は、内心で疑いつつも流した。しかし、ディオン本人の口から桜子を愛おしむ言葉が出ると、ふたりに対して腸が煮えくりかえる思いになる。
「イヴァナ皇后。サクラに会いたかったのであれば、私にお伝えしてくださればよかったのに。いつでもアシュアン宮殿にご招待申し上げますよ」
ディオンは整い過ぎる顔をにっこりとさせた。その笑みを桜子は仰ぎ見ながら、ハラハラしている。
「では、失礼いたします」
桜子の腰を抱きながら礼をして、扉へ向かった。
ディオンと桜子が去ると、イヴァナ皇后は手に触れた器を壁に投げつけた。
「イヴァナ皇后さま。第三皇子を今、殺しになるべきかと」
年配の女官は、苛立ちが収まらないイヴァナ皇后に告げた。
「それは出来ないわ。第三皇子を殺すのは皇帝の許可が必要よ。最近ではめっきり刺客を向けなくなったわ。それに、今殺したらダフネが悲しむわ」
ダフネ姫は裏から出てきていた。その顔は悲しそうである。
「そのような顔をしないの。あの娘は約束したわ。少し様子を見ましょう。あなたは婚礼の準備をしなさいな」
「……はい。皇妃さま」
ダフネ姫は落ち込みながらも、優雅にお辞儀をした。