平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
 衛兵を出して桜子の行方を追った結果、彼女は皇都へ向かっていたと報告された。道を聞かれた男が名乗り出て、信憑性が高まった。

「なぜ! 自らルキアノスの元へ!?」

 ディオンは机を拳で殴る。

「いや。サクラは自分を犠牲にしてでも、私を守りたかったんだ」

 そばにいたイアニスが頷き、口を開く。

「私が余計な話をしなければよかったのです。申し訳ございません!」

 イアニスは昨夕、桜子に会ったときの話をした。

 皆でこれからの計画を立てていると、門を守る衛兵から、馬車が皇都からやってきたと連絡があった。

「サクラ!?」

 ディオンは政務室を出て、階段を飛ぶように下りる。

 宮殿の出入口に着いたとき、向こうのほうから手を振る女がいた。

「ディオンさまー!」

 ダフネ姫だった。

 ディオンは落胆し、元来た道を歩き出す。

「イアニス、お前が相手をしろ」

 がっかりしながら、ディオンはダフネ姫がなにを言っているのか気にも留めず、立ち去った。

 桜子が心配でならないディオンは、ラウリとニコを呼んだ。

< 218 / 236 >

この作品をシェア

pagetop