平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
(な、なんなの? この超絶美形は? まるで金髪の王子さまのように美しいわ。女性だと間違われそうなくらい、綺麗な顔をしている……)

 桜子は瞬きもせずにディオンを見つめた。

 突然、ニコの手によって、ディオンを見る桜子の視界が遮られた。

「ディオンさま、術師かもしれませんので、それ以上お近づきになるのは……」
「術師って、私はただの高校生です!」

 桜子は肩の痛みを堪えながら言い切る。

(そんなのは漫画の世界のことじゃないの? そもそも、この世界がそうなのかもしれないけど。だって、こんなに美しい人を見たことがないもの)

「高校生とは、なんだ?」

 ディオンは知らない言葉に柳眉の片方を上げて、桜子に問う。

「私は日本人です。高校生とは、学生で……トラックにぶつかって、気がついたらこの世界にいたんです」

 桜子はわかってもらおうと、必死に言った。

「トラック……? この世界……?」

 ディオンは聞いたことのない単語を言う桜子に首を傾げる。目の前の娘の話は、嘘ではないと考える。

(この者の服装は今まで見たことがない。そしてこの容姿……)


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