平凡女子ですが、トリップしたら異世界を救うことになりました
 超絶美形にジッと見られ、桜子はこんな状況なのに、不覚にも胸を高鳴らせてしまう。

「変な棒を持っていたと言っていたな?」

 背後にいる警備隊長にディオンは尋ねる。

「はい。殿下。こちらがその棒でございます」

 警備隊長は、真っ赤な竹刀袋と竹刀をディオンに見せる。

「あ! 竹刀っ!」

 桜子は立ち上がろうとしたが、後ろ手はまだ縛られており、立てない。足を動かしたところでバランスを崩し、石の床の上に倒れる。

「あっ!」

 尻もちをつき、痛みに顔が歪んだ。

「お前! 動くな!」

 ラウリは桜子を押さえつける。

(なんて言えば、わかって……もらえるの……?)

 桜子の状態に、ディオンは縄を解くようにニコに命令する。

「しかし、ディオンさま。術師であれば危険です」

 今まで黙っていたイアニスが口を開く。

「そのためにふたりがいるのだろう? 術師であろうと、女性に負けるふたりではないはずだ」

ディオンはニコとラウリに頷く。

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