No border ~雨も月も…君との距離も~
「 ……う…そっ。…… 」


4年……なんて、3日ぶりみたいな顔をして、

ステージの袖から 現れた彼は、ぴょこんとマイクスタンドの側に しゃがんで 微笑んだ。

ホールの 中心で、私は両手を口元に合わせて シンを見上げる。



幻……だろうか。

それとも、やっぱりBIG4で…夢を見ている…?

あの頃の…夢を。


「 ……シン? ……どうして……。」


もう…逢わないと 心に決めていた。

もう…二度と、逢えないと…

そう、思っていた。



「 泣いてる? 」


ホールに シンの声が響く。


「 泣いて…………ない。」


私の頬に 涙が伝う。



私は、あの頃から……

毎日、毎日………逢うたびに

新しい シンに 恋をした。


今日の……君に、恋をしていた。



涙で 目の前のシンが、ぼやけて……溶けて……

幻になるのではないかと…。

瞬きが 怖いよ。


それほどに、私はもう……シンのペースに引きずられている。



「 泣いてるじゃん。」



ケラッと笑うはずのシンは、自分も 涙が溢れないように……視線を 上に向けて、無理矢理 笑う。


「 どうして……どうして、ここにいるの?」


私は、やっとの想いで 声を押し出す。


まるで、あの頃と変わらないTシャツとデニム姿のシンは Dーカクの SIN ではなくて……

私のよく知る シンのままだった。


「 東京に……少しだけ疲れたから 羽を休めに来ただけだよ。
東京に……いじめられたら 一緒にまた 逃げてくれるって……そう言ったの 紗奈でしょ。」


息が……

できない。


シンは……ヤンチャで 後先を考えない

そのまんまの 笑顔で 笑う。


「 なぐさめて……あげる 約束だったね。」


「 …………(笑) うん。 」



雑誌の中の完璧な シンではなくて……甘えた顔で、

彼は少し首を傾ける。


二人で……笑う。

そう……同じタイミング、同じ……呼吸。



「 変わらなくちゃいけないと思ったし、変わると 思ってた。

けど……変わらない気持ちは どうしても 変わらなくて。」


「 シン……………。」



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