エリート御曹司は獣でした
次はなにをされるのかと思えば落ち着かないし、犯人が誰なのか、気になって仕方ない。

動機も不明で気持ち悪いから、なんとかして犯人を見つけ出さないと!と意気込んでいた。


午前中は会議とデスクワークで時間が過ぎ行き、昼休みになる。

ミーティングテーブルを囲むのは、私と香織と綾乃さん。

八重子ちゃんは、またなにか失敗したらしく、ただ今、係長から注意を受けているところである。


八重子ちゃんを待てずにお弁当を広げた私は、飴色に艶めく豚の角煮を味わいつつ、早速、今朝の出来事を香織たちに報告した。


「でね、焼肉食べ放題無料に喜んだのに、昨日で期限切れ。テンションを上げさせてから、落とすところに悪意を感じたよ」


地味で小さなダメージも、日々重なれば、大きなストレスとなる。

しかし予想していたことではあるけれど、私の気持ちは理解してもらえずに、香織と綾乃さんはおかしそうに笑っていた。


「大量のチョコに、緑茶の差し入れ。クッションカバーを補修してくれて、焼肉無料チケットをくれるなんて、いい奴じゃん」と香織が言えば、綾乃さんが頷く。


「犯人は良かれと思ってやっているんじゃないかしら。無料券は期限切れに気づかなかったのよ、きっと。誰だろうね。もしかして奈々ちゃんに想いを寄せる男性社員?」


< 144 / 267 >

この作品をシェア

pagetop