エリート御曹司は獣でした
八重子ちゃんには、サプライズは困るという気持ちをはっきり伝えて、今後はやらないという約束をさせた。
お弁当の続きに戻りつつ、私は鼻息荒く憤る。
「もう怒った。今日中に乗友さんと話をつける」
「え……本気で?」
そう聞き返したのは香織で、食べかけのおにぎりを置いて心配そうに眉を寄せた。
「ついて行こうか?」と言ってくれたのを、私は首を横に振ってきっぱりと断る。
「ひとりで文句を言いにいく。人数に訴えるような卑怯な真似はしたくない。正々堂々と、一対一の勝負だよ!」
気分は、カウボーイハットを被った荒野のヒーロー。
昨日寝る前に何気なくテレビで観た、古い西部劇の映画が影響しているのかもしれない。
戦の前の腹ごしらえとばかりに、私は肉弁当を勇ましく食べ、八重子ちゃんはドレッシングの小袋が破れないらしく、悪戦苦闘していた。
おそらく彼女の耳に、私の話は届いていないことだろう。
「奈々子、殴ったらダメだよ。面倒事に巻き込まれたくない」
「奈々ちゃん、怒る気持ちはわかるけど、なるべく丸く収めてね。ほら私、乗友さんと同課だから、仕事がやりにくくなっちゃう」
私の心配なのか、どうなのか……。
香織と綾乃さんは口々にそう言って、不安げな目を私に向けていた。
お弁当の続きに戻りつつ、私は鼻息荒く憤る。
「もう怒った。今日中に乗友さんと話をつける」
「え……本気で?」
そう聞き返したのは香織で、食べかけのおにぎりを置いて心配そうに眉を寄せた。
「ついて行こうか?」と言ってくれたのを、私は首を横に振ってきっぱりと断る。
「ひとりで文句を言いにいく。人数に訴えるような卑怯な真似はしたくない。正々堂々と、一対一の勝負だよ!」
気分は、カウボーイハットを被った荒野のヒーロー。
昨日寝る前に何気なくテレビで観た、古い西部劇の映画が影響しているのかもしれない。
戦の前の腹ごしらえとばかりに、私は肉弁当を勇ましく食べ、八重子ちゃんはドレッシングの小袋が破れないらしく、悪戦苦闘していた。
おそらく彼女の耳に、私の話は届いていないことだろう。
「奈々子、殴ったらダメだよ。面倒事に巻き込まれたくない」
「奈々ちゃん、怒る気持ちはわかるけど、なるべく丸く収めてね。ほら私、乗友さんと同課だから、仕事がやりにくくなっちゃう」
私の心配なのか、どうなのか……。
香織と綾乃さんは口々にそう言って、不安げな目を私に向けていた。