エリート御曹司は獣でした
「秘密にしていた俺たちの関係を、暴露してもいい?」

「え? それは……」


ポン酢変身体質を治すために、私が協力しているという関係のことだと思い、久瀬さんが知られたくないことなのだから秘密のままでいた方がいいと、彼を止めようとした。

けれども、それについての関係ではないらしい。


「君が嫌がらせを受けることに我慢ならない」と言った彼は、視線を乗友さんたちに移し、真面目な声で信じられないことを言う。


「相田さんと交際している。二カ月ほど前に、俺から告白したんだ」


え……えええっ!?

目玉が飛び出しそうなほどに驚いて、私はなにも言葉が出てこない。

パニックに落とされ、思考が滅裂になる。


私、久瀬さんに告白されたっけ?

ポン酢で我を失っている最中に言われたから、覚えてないのかな?

いや、違うよね。

ポン酢で記憶があやふやになるのは彼であって、私ではない。

ということは……どういうこと?

私って、久瀬さんの彼女だったの?


乗友さんたちも盛大に驚いていると思われるが、激しく混乱している私は、それを確かめようという気持ちが湧かない。

ただ久瀬さんの横顔を見つめて、口をあんぐりと開けるだけである。

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