エリート御曹司は獣でした
嬉しさのあまりに、にやけそうになり、緩む頬を両手で挟んでだらしない顔になるのを阻止する。
決して両想いになったわけではないと、舞い上がりそうな心に釘を刺し、自分を落ち着かせるために現実的な質問をする。
「偽恋人関係の期限は、いつまでですか?」
「期限? ああ、そうだな……」
そう言って二、三秒考えた彼は、「俺がポン酢を克服するまで」と囁くように答えた。
「変身してしまううちは、本当の恋人関係になることはできない。裏切りたくないからな。この話は確か前にしたよね?」
「はい」
初めて彼の変身を見た時、正気に戻った彼に色々と質問をすれば、『俺は恋人を作るわけにいかない』という事情も話してくれた。
ポン酢を口にすれば、その時近くにいる女性を、だれかれ構わず口説いてしまう。
交際相手がいれば、その人を裏切ることになるから、恋人を作れないというのだ。
きっと今まで、素敵な女性に言い寄られて、心が揺れた時もあったことだろう。
それでも交際を断るしかないのは、気の毒である。
この特異体質が治ったら、久瀬さんはやっと本物の恋人を作ることができるのだ。
だから、私との偽恋人関係の期限は、“ポン酢を克服するまで”なのだと私は解釈した。
決して両想いになったわけではないと、舞い上がりそうな心に釘を刺し、自分を落ち着かせるために現実的な質問をする。
「偽恋人関係の期限は、いつまでですか?」
「期限? ああ、そうだな……」
そう言って二、三秒考えた彼は、「俺がポン酢を克服するまで」と囁くように答えた。
「変身してしまううちは、本当の恋人関係になることはできない。裏切りたくないからな。この話は確か前にしたよね?」
「はい」
初めて彼の変身を見た時、正気に戻った彼に色々と質問をすれば、『俺は恋人を作るわけにいかない』という事情も話してくれた。
ポン酢を口にすれば、その時近くにいる女性を、だれかれ構わず口説いてしまう。
交際相手がいれば、その人を裏切ることになるから、恋人を作れないというのだ。
きっと今まで、素敵な女性に言い寄られて、心が揺れた時もあったことだろう。
それでも交際を断るしかないのは、気の毒である。
この特異体質が治ったら、久瀬さんはやっと本物の恋人を作ることができるのだ。
だから、私との偽恋人関係の期限は、“ポン酢を克服するまで”なのだと私は解釈した。