エリート御曹司は獣でした
解決済みとも言っていい問題であるが、久瀬さんを焦らせて、彼本来の意識を呼び戻すために、“一大事”だと話している。

すると狙い通りに彼が、やけに色気のある目をしながらも、真面目に悩み始める。


「スッポン料理が名物の料亭は、祖父の行きつけリストに一軒入っていたな。祖父のツケにすることもできるが、毎度要求されては困る。今後のことを考えれば断わるべきか……いやしかし、今回は随分と大きな依頼を持って来てくれたし、スッポン鍋くらい……」


ブツブツと言いつつ、久瀬さんの手は女性を求めて、私に伸ばされる。

その手を、先ほどのように払い落とそうとしたのだが、今度は捕まってしまい、抱きしめられた。

彼の右手は服の上から私のブラホックを外そうとし、左手はワンピースのスカートをたくし上げようとしている。


「スッポン鍋か。スッポン、スッポン……スッポンポン。お前の服を、全部脱がせたい」


真面目な方の意識と狼化している彼の意識が入り混じっているのは確かで、今はまだ狼の方が優勢であるようだ。

『久瀬さん、負けないで!』と私は心の中で応援しつつ、真面目な方の彼に向けて、早口で話し続ける。


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