エリート御曹司は獣でした
開けっ放しのリビングのドアに視線を向けた彼は、しみじみとした声で言う。
「ただ、幸せそうだなと思ったんだ。それ以上でも、以下でもない。可愛いお子さんが生まれ、守ってくれる伴侶がいて、幸せそうな小百合さんがいる。俺はそれが嬉しい」
優しい瞳と、穏やかな微笑み。
「小百合さんが戻ったら、ここを出ようか」
「はい……」
私に向けるその笑顔には、スッキリとして、なにかが吹っ切れたような清々しさが感じられた。
小百合さんに会いに行くことを提案した時、最初は年齢を重ねた彼女を見てがっかりすればいいと思っていた。
嫉妬や自分の恋を成就させようという野心ではなく、あくまでも、ポン酢変身体質の新たな治療法という意味で。
それは久瀬さんに否定された通り、今の彼女に会っても落胆することはなかったけれど、感情の上書きという点においては、私の狙い通りになった気もする。
ハプニングにも動じず、彼女が幸せそうでよかったと、久瀬さんは穏やかな気持ちでいられるようだ。
もしかして……と、私は期待せずにいられない。
「ただ、幸せそうだなと思ったんだ。それ以上でも、以下でもない。可愛いお子さんが生まれ、守ってくれる伴侶がいて、幸せそうな小百合さんがいる。俺はそれが嬉しい」
優しい瞳と、穏やかな微笑み。
「小百合さんが戻ったら、ここを出ようか」
「はい……」
私に向けるその笑顔には、スッキリとして、なにかが吹っ切れたような清々しさが感じられた。
小百合さんに会いに行くことを提案した時、最初は年齢を重ねた彼女を見てがっかりすればいいと思っていた。
嫉妬や自分の恋を成就させようという野心ではなく、あくまでも、ポン酢変身体質の新たな治療法という意味で。
それは久瀬さんに否定された通り、今の彼女に会っても落胆することはなかったけれど、感情の上書きという点においては、私の狙い通りになった気もする。
ハプニングにも動じず、彼女が幸せそうでよかったと、久瀬さんは穏やかな気持ちでいられるようだ。
もしかして……と、私は期待せずにいられない。