エリート御曹司は獣でした
それは大学生の頃の話である。

私が極度の肉好きで、二時間おきに肉チャージが必要な体質だと知っていても付き合おうと言ってくれた人がいた。

それなのに、『お前の頭の中は、九割が肉なんだな。やっぱ無理。牛か豚と付き合えば』と言われ、交際九日目で捨てられてしまったのだ。


周囲の女友達は、たぶんほとんどが経験済みである。

処女を守っていることが年々恥ずかしくなってきた私は、女子だけの飲み会でそういう話題になると、お手洗いに逃げていた。

今一番仲のいい香織にも話していない。

できれば久瀬さんにも知られたくなかったが……行為に及べばどうせバレてしまうことでもあるし、なるべく痛くなくしてもらいたいので、恥を忍んで打ち明けた。


私の情けない暴露話に、久瀬さんの目が見開かれる。

眉を寄せた彼に「なぜもっと早く言ってくれないんだ」と叱られて、私は首をすくめて目を泳がせた。


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