エリート御曹司は獣でした
度胸がいいと久瀬さんは言ったが、なにか違うと私は考える。

好きな人に触られても、嫌ではないからだ。


「話してくれたら、絶対に関わらせなかったのに」と、申し訳なさそうに顔をしかめる彼は、やはり誠実な人だ。

処女だということをマイナスに捉えていないとわかってホッとした私は、「だからですよ」と笑顔を向けた。


「私は久瀬さんに深く関わりたかったんです。だからこれまで言いませんでした。久瀬さん、今度みんなとしゃぶしゃぶパーティーしましょうね。つけだれはもちろんポン酢で。私、みんなの輪の中に久瀬さんを引き入れて、楽しんでもらいたかったんです。それと、ほんの少し、憧れの人に近づきたいという下心もあったんですけど……」


正直に全てを打ち明けて、照れ笑いをしていたが、彼が呆れ顔をして大きなため息をついたので、またマズイことを言ってしまったかとヒヤリとした。


「あまり煽らないでくれる? 優しく抱く余裕がなくなるだろ」


そう言って私を驚かせた直後に、彼は一気に私の帯をほどき、桜柄の浴衣の前合わせを開いた。

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