エリート御曹司は獣でした
しかし彼は、私の肩下までの黒髪を横に流して、うなじをあらわにさせ、襲う気が満々の様子である。
しりとりをやめたのかと焦ったが、そうではなく、「白いうなじ」と、彼は答えた。
しりとりにまで色気を持ち込んできた彼に動揺しつつ、私は「ジャーキー」と続ける。
うなじをじっくりと見られていることが恥ずかしく、鼓動が五割り増しで高鳴っている。
彼のペースに持ち込まれて、私までおかしくなってしまわぬように、頭の中にビーフジャーキーを思い浮かべていた。
「“き”ですよ、久瀬さん」と次を催促すれば、「綺麗な髪」と囁かれ、私のストレートの黒髪に彼が指をくぐらせる。
異性に髪を触られることは、滅多にないことだ。
行きつけの美容室は、いつも同じ女性スタッフが担当してくれるので、もしかすると、子供の時以来かもしれない。
そう思うと、髪を梳かれていることが妙に照れくさく、私の顔は耳まで火照った。
その気持ちに抵抗して、頭に肉料理の数々を思い浮かべた私は、“み”から始まる言葉を探す。
「み、み……ミートローフ!」
「ふんわりと柔らかな、お前の頬」
「ええっ!? 久瀬さん、その答え方はずるい……あっ!」
しりとりをやめたのかと焦ったが、そうではなく、「白いうなじ」と、彼は答えた。
しりとりにまで色気を持ち込んできた彼に動揺しつつ、私は「ジャーキー」と続ける。
うなじをじっくりと見られていることが恥ずかしく、鼓動が五割り増しで高鳴っている。
彼のペースに持ち込まれて、私までおかしくなってしまわぬように、頭の中にビーフジャーキーを思い浮かべていた。
「“き”ですよ、久瀬さん」と次を催促すれば、「綺麗な髪」と囁かれ、私のストレートの黒髪に彼が指をくぐらせる。
異性に髪を触られることは、滅多にないことだ。
行きつけの美容室は、いつも同じ女性スタッフが担当してくれるので、もしかすると、子供の時以来かもしれない。
そう思うと、髪を梳かれていることが妙に照れくさく、私の顔は耳まで火照った。
その気持ちに抵抗して、頭に肉料理の数々を思い浮かべた私は、“み”から始まる言葉を探す。
「み、み……ミートローフ!」
「ふんわりと柔らかな、お前の頬」
「ええっ!? 久瀬さん、その答え方はずるい……あっ!」