ずっと・・・
「たぶん、拓実くんも楓さんも引かねぇわ。それに、ここで見せてれば後々ラクでしょ。」
「イヤ、そういう問題でもないから……」
そう返したものの、彼が言わんとしていることは分かった。
だって、2人とも期待を込めたような表情をしているんだもん。
このまま、何もせずに帰るとは思えない。
「……はぁ。分かった。分かりました。ちょっと、トイレ行ってきます」
2人の様子に観念して、かばんを持って席を立つ。
前回のことがあって、メイク道具と服は持ち歩くようにした。
まさか、こんなにすぐに必要になるとは思わなかったけど。
「……おおー……」
15分後、席へ戻ると驚く表情からようやく出た一言。
それでも、本人か疑わしいらしく、2人で顔を見合わせたあと確認するように彼を見る。
知っている彼は、深く頷く。
そして、また私を見る。
「イヤ……化けるね……。あ、化けるってものおかしいか。それが素だもんな」