ずっと・・・



「たぶん、拓実くんも楓さんも引かねぇわ。それに、ここで見せてれば後々ラクでしょ。」

「イヤ、そういう問題でもないから……」


そう返したものの、彼が言わんとしていることは分かった。

だって、2人とも期待を込めたような表情をしているんだもん。

このまま、何もせずに帰るとは思えない。


「……はぁ。分かった。分かりました。ちょっと、トイレ行ってきます」


2人の様子に観念して、かばんを持って席を立つ。

前回のことがあって、メイク道具と服は持ち歩くようにした。

まさか、こんなにすぐに必要になるとは思わなかったけど。






「……おおー……」


15分後、席へ戻ると驚く表情からようやく出た一言。

それでも、本人か疑わしいらしく、2人で顔を見合わせたあと確認するように彼を見る。

知っている彼は、深く頷く。

そして、また私を見る。


「イヤ……化けるね……。あ、化けるってものおかしいか。それが素だもんな」




< 125 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop