ずっと・・・
「本当のことじゃん。人の男寝取って楽しんでんだろ」
「そんなことしていない……っ」
「みんな知っていることだし。今更純情ぶるなよ。
美人は、選びたい放題だよなー」
いくら否定しても、この男の口は止まらない。
恐る恐る彼を見れば、目を見開いて驚いている。
ああ、軽蔑された。
必死に隠していたのに、知られるのはこんなにも簡単なんだ。
嫌われるのだって。
もう、終わった。
何を言っても信用されない。
このまま、消え去るしかない。
私は、男が話している間に、その場から走り去った。
「あ、有紗っ‼」
彼に名前を呼ばれるけど、止まることはなかった。
これが最後。
2度と逢わないから。
この話しも忘れて欲しい。
何も私の理想通りにはいかなかったけど、これが私なのかもしれない。
想いを伝えることさえ許されないんだ。
走り去った私は、流れる涙を拭くことなく、実彩子の家へ向かった。