ずっと・・・



そして、連絡も個人携帯で取ることにした。

もちろん、会社支給のものだ。

彼は、自分の状況が分かっているなか、何も言わなかった。


「それじゃあ、行ってきます」

「行ってらっしゃい。気を付けて」


ペアが発表されて、初めて2人で出掛けるこの日、私の緊張はマックスだった。

もちろん、これまでに何度か逢ってやりとりはしている。

でもそれは社内であって、いろんな人がいた。

2人きりの空間もなかった。

2人きりとか、何話していいか分からない。

イヤ、仕事なんだけど。

しかも、車だし、密室だし。

学生の時だって密室なんてなかったのに。

そんなの、耐えられる訳がない。

心臓が口から飛び出るんじゃないかってぐらいドキドキ、バクバクさせながら駐車場へ行く。


「お待たせ……しました」


人影が見えたから少し小走りで行ったのだけど、そこにいたのは1人ではなかった。


「君が内山さんか」

「うん、大丈夫そうだね」




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