ずっと・・・



「何も気にせず食べて」


私が何を言いたいのか分かったのか、先手を打たれた。

何で、5年も逢わなかったのに分かるんだ。

あの時から変わっていないということか。


「……あ、美味しい」


一口食べて、思わずそう呟いた。

それを聞いた彼は、満面の笑みだ。

その笑顔にドキッとした。

感情を振り払うように、目の前の料理を食べていった。

個室だから、周りを気にしなくて良かった。

一緒にいても、嫌みは聞こえない。

ここに入る時だって、人目につかないところを通った。

さすがは親戚の店っていったところか。


「あー、美味しかった」


当たり障りのない話しをしながら、ひたすら食べ続けて、デザートまでたいらげた。


「満足してもらえた?」

「凄い満足です。ありがとうございます」


美味しかったから、頭を下げて素直にお礼を言った。

頭をあげると、彼はじっと私を見つめていた。




< 80 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop