ずっと・・・
「えっと……ご飯も食べたので帰ろうと思います」
その視線から外れるように立とうとした瞬間、彼に腕を掴まれた。
「え?なんですか?」
「化粧落として、髪おろして」
「……は?」
「服がそのままじゃダメだから、ついでにこれに着替えて」
「は?」
「いいから。そこ出て右に行くとトイレがある。行ってきて」
紙袋を押し付けられて、有無言わさず追い出された。
えっと、何をしてこいって?
化粧落として、髪をおろして……着替えるの?
紙袋の中を見ると、女物の服が入っていた。
これって、あきらかに素に戻れって言ってるよね。
なんでだろう。
仕事が終わったとはいえ、平日の外で素にはなりたくないのに。
だから、バレないように服を渡されたんだろうな。
彼の優しさか。
でも、今更素になってどうしろと言うんだ。
私の過去がバレて、全て終わったはずなのに。
地味でいようが、彼には関係ないはずだ。