結婚前夜
でも、やはり長くは続かない。

彼女が結婚でもしてくれたなら、諦めもつくのに…。

そうこうしているうちに月日は流れ、実はあの話はデマだったとの情報が耳に入った。

それならば、今度こそは捕まえてみせる。
彼女を誰にも渡したくない。
そうと決めたら、今の彼女と別れて、人事部長に泣きついてみよう。

あの人は何だかんだ言っても世話焼きなのだ。

ただ、このお見合い話が知れ渡ると彼女は職場に居辛くなるだろう…。

もし彼女の返事がイエスなら、すぐにでも仕事を辞めてくれても構わない。

お見合いの日が近付くにつれ、彼女への想いは募るばかりだ。

待ち合わせの博物館は郊外にあるので、もし彼女が足がないなら車で迎えに行くつもりだった。

でも何も言ってこないので、一人で向かう事に。

まあ、まだお付き合いをしている訳ではないし、彼女がお見合い後に予定があった場合、一緒に行動するのもおかしな話だ。
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