契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
私がじわっと瞳を潤ませると、彼は私の顔を優しく両手で包み込み、コツンとおでこ同士をくっつけて言った。
「まずはシャワー、とか言うなよ? もう、とっくに限界超えてるんだ。……今すぐ結奈が欲しい」
「はい……。私も、彰さんが欲しいです」
「ありがとう。……あとごめん、本当に、手加減できそうにない」
ばつが悪そうに言った彼とちゅっと軽いキスを交わした後、私たちは一直線に寝室へ向かった。
部屋に着くと彰さんは柔らかなオレンジ色の間接照明だけを点け、私たちは彼のベッドに寄り添うように座った。そして視線を絡ませ、どちらからともなく唇を重ねる。
次第に深くなるキスとともにゆっくり背中からベッドに倒され、彰さんがその上に覆いかぶさった。
彼の大きな手によって一枚一枚衣服を取り去られる感覚は、鎧を失っていくうようで心許ない。
けれど、やがてお互いが裸になり素肌をくっつけ合うと、心許なさより直接彼の温もりを感じられる喜びが上回った。