契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
「結奈……」
甘い声で名前を呼ばれて、体をなぞる手に、脳みそが溶けていく。
彰さんのことしか考えられない。彰さんしか見えない。
……でも、もっともっと、あなたのことだけを感じたい。その気持ちが最高潮に達したとき、私はとうとう我慢ができなくなった。
「彰さん……早く、きて」
私は彰さんの耳元に唇を寄せ、ほとんど吐息みたいな掠れ声でねだった。
すると彰さんの肩がぴくりと反応し、はぁ……と大きなため息をついてから、お返しのように私の耳元で囁いた。
「せっかく我慢してたのに……。もう、やめてって言われたって、やめてやらないから」
セクシーな声でそう宣言した彼は、私の唇をキスでふさぎながら、欲しかったものをくれた。
心も体も隙間なくひとつになれたことがうれしく、目尻にじわりと涙が浮かぶ。
やがてお互いの吐息が激しく乱れ、限界を感じて握り合っていた彼の手を、さらにぎゅっと掴んだその瞬間――。
「愛してる……っ。結奈……」
額に汗を浮かべた彼が一所懸命にそう伝えてくれ、私のなかに電流が駆け抜けるように、大きな快楽の波が押し寄せた。