上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
朝、目を覚ますと雅が朝食を作ってくれていた。
「亜子おはよう!」
私は顔を洗ってからそれほど腫れていない自分の目を見てホッとした。
2人で朝食を食べて私が食器を洗い仕事に行く準備を始めた。
「亜子メイクでなんとかカバーできたね!ほとんどわからないよ」
「うん、雅には迷惑かけちゃったね。でも雅がいてくれてよかった」
「私は亜子が元気になってくれればいーよ! 今日も泊まらない?」
「ありがとう、でも今日は帰るね。雅の彼にも悪いことしちゃった」
大人になってから涼太以外の前で初めて泣いてしまったけど、雅のおかげで今朝はずいぶんスッキリしてる。
「彼の事は気にしないで。来たくなったらいつでもいいからね!」
「雅ありがとう」
それから会社に着くまで何度か今夜も誘われたけど雅に甘えてばかりはいられない。
だけどいざ会社に着くと足がうまく動かなくて、まるで重りを付けながら進んでいるかのように歩くのがぎこちなく感じる。
結城課長は今週1週間お休みを取ってるはずだから会社に来る確率は少ないけど、それでも緊張でどうにかなってしまうんじゃないかと思ったほどだ。
オフィスに入り挨拶を交わしながらチラッと見渡して結城課長がいないと分かってホッとした。
そこからはいつも通り午前中は予定の仕事をこなし、お昼は雅と近くのカフェで済まして午後のミーティングが終わる頃には気持ちは落ちてるものの普段と変わりない1日になっていた。