上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
玄関のドアを開けてリビングに入ると一気に気が抜けてぱたんとその場に座り込んでしまった。
ふと横にある鞄の中で携帯のバイブが鳴っているのに気づき携帯を取り出すと結城課長からの着信を知らせる文字が画面に映し出されている。
鳴り続ける携帯の通話ボタンに指を近づけ用とした時に、ふと持っている左手首に目がいくと結城課長に掴まれた場所が赤くなっていた。
思えば昨日の夜も勝手に帰ってそのまま無視し続けているのだから怒るのも当然だ。
もっと本気で向き合っていたら、こんな時どうすればいいのか分かっていたのかな……。
私は立ち上がり持ったままの携帯をテーブルの上に置いて寝室に向かった。
相変わらず食欲がなく夕飯を軽めに済まし、シャワーを浴びた後ソファーの上で自分なりに考えることにした。
どんなに考えても答えは出なくてため息ばかりが出でしまう。
それでも目を閉じると時折優しい顔で笑ってくれた結城課長の事を思い浮かべると苦しい中にも胸が温かくなった。
少しは私を好きでいてくれた事もあったかな……。
それで十分かもしれない。
昨日たくさん泣いたせいか今は不思議と涙は出なかった。
次はちゃんと話そう。
結城課長のことは好きだけど幸せになってもらいたい……。
天井を見上げて昨日の2人の姿を思い出すと少し胸が痛む。
泣かないで話そう。
そう心に誓ってベットに入りそのまま眠ってしまった。