上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※



翌朝、リビングのテーブルに置いてあった携帯のアラームが朝の6時を知らせる。

昨日携帯を寝室に持っていくのを忘れてそのままにしていたけれど、たくさん寝すぎていつもより早く起きてしまった。


普段仕事で頭を使ってもこんなに疲れることはなかったけれど、慣れない恋愛に私の頭は完全にキャパオーバーしてしまって昨日は9時前に寝てしまった。


こんなに早くて寝たのなんて風邪をひいた時以来かも。
去年、熱が出て2日間会社を休んだ時はどんなに寝ても怠くて一日中寝て過ごしていたのに、恋愛事で辛くなっても一定の睡眠を取ってしまえば体は元気になってしまうんだとどうでもいいことだけどそんなものかと思ってしまう。


そうかといって元気一杯とはならないけれど、それなりに振られる覚悟ができたせいか心は落ち着いている。


中学生の頃、お母さんが「どんなに嫌なことがあってもご飯だけはきちんと食べなさい」とよく言ってた。
あの頃は意味がわからなかったけど今は分かる気がする。


食べなきゃ仕事にならないしね!
そう思える私は少しは大人になったのかな。

食パンにスクランブルエッグ、サラダといった定番の朝食を済ませたら仕事に行く準備に取りかかる。

早く起きたせいかいつもより15分早く家を出ることができて駅に向かうと電車も空いていて気持ちがいい。

明日からこの時間に出よう!
地方で育った私には満員電車だけは一生慣れないと思う。

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