上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※


軽井沢駅で各駅停車の電車に乗り換え中軽井沢駅に着く。
時計を確認すると11時過ぎ。
駅前でタクシーを拾い目的のホテルまで向かった。

ホテルに着くとまだ約束の時間まで少しある為館内のロビーで待つことにした。
ソファーにかけてぐるっと辺りを見渡すと、さすが一流のホテルだけあって設置されている物が高級そうだ。


どちらかというとお父さんや涼太は昔から小さな店舗のインテリアの受注は受けても、ホテルのように大型な施設からの申し出は断ってきた。
期限のある大量受注となると大変ということもあるけれど、一つ一つ気持ちを込めて作ることを理念として掲げてるCHAINON(シェノン)としては理に敵わないのである。
それなのに今になってどうして受けることにしたのだろう。


多くの人が出入りする場所はそこにいる社員はもちろん、置いてあるインテリアで雰囲気が決まる。


やっぱり私でよかったのだろうか?
もし何かミスをして話がなくなったらどうしよう……。
緊張と不安で足が震えてくる。


ブブブ……ブブブ……ブブブ
その時携帯のバイブが鳴ってることに気づいた。
涼太からだ!
私は通話ボタンを押して携帯に出た。


「亜子着いてるか?」

「うん、今ロビーにいる」

「先方が待ってるみたいだから早く行け」

「え⁉︎ そうなの? わ、分かった」

まだ約束の時間には20分も早いのに!
私は急いでレストランのある奥の方へ向かった。


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